集団心理のデメリット。梨泰院で起きた事故で考えたこと



事故の全容

韓国の梨泰院イテウォンでハロウィーンイベントに
集まった群衆が雪崩のように転倒し、
約150人もの方が亡くなられました。

パンデミックが始まり、
マスクをしなくても大丈夫という
イベントが久しぶりであり、
10万人もの人が集まりました。

普通なら、久しぶりに楽しめる
大型イベントですが、
結果このような事になり残念でなりません。

ハロウィーンの失敗

とても悲しい出来事ですが、
数年前の東京渋谷でも同じように

沢山の人が集まり、車が倒されたり、
痴漢などの騒ぎがあったのは
記憶に新しいところです。

元々ハロウィーンはアメリカで始まった
子供たちのお祭りでしたが、

「仮装して街に出る」というところが
大きくピックアップされて、

最近では多くの10代〜大人たちまでが仮装して
街で騒ぐイベントになってきました。

もちろん、お祭りなので沢山人が集まる事で、
飲食業界なども恩恵を受け、
経済効果も上がります。

その一方で、
今回の事故のように危険なことも伴います。

日本では古来から続くお祭りのイベントでは、
そのお祭りを主催する側(自治体など)が
しっかりとルールを作り、その中で街を盛り上げます。

ハロウィーンの失敗は、
その主催する側が特にいなく、
ルールが曖昧になることです。

もちろん個々ではイベントを楽しむためだけ
なので、人に迷惑をかけたり
倫理を破ったりするつもりがない人たちがほとんどでしょう。

ただ、イベントが盛り上がれば盛り上がるほど、
集団心理が働き危機感や倫理観が薄れます。

イベントで騒ぐ集団心理

このような事故が起きてしまう背景には、
集団心理、つまり人が集まったときに生じる
特殊な心理状態が働きます。

この特殊な集団心理のデメリットとして、
1人でいるときよりも、
感情の起伏が激しくなり
さらにお酒などが入っている時には特に、
「暗示状態」に陥りやすいようです。

つまり、今回の事故を例にとると、
ハロウィーンという仮装し人が集まるイベントに
参加することで、

「世の中で自分達が1番楽しんでいる」

といったように錯覚して、興奮することで、
普段は気にして避けていること

「坂道で人がたくさん集まって転んだら危ない」

のようなすごく単純な意識や感覚が薄れます。

集団意識はメリットもありますが、

今回は明らかにデメリットの方に作用が働きました。

 

海外から遺体を引き取る

沢山の方が亡くなり、ご冥福をお祈りします。

残されたご遺族たちは、
悲しみながら現地に赴き現状を知り、
遺体を引き取るという
物理的な行動を取らなければなりません。

日本人が海外で亡くなられた場合、
日本にいるご遺族がすることは、

  1. 現地の大使館や領事館を通じ、
    日本の外務省から連絡があります。

    色々な感情が重なり、
    冷静に判断ができないかもしれませんが、
    何かあった時のために

    外務省の連絡先電話番号
    担当者名などをしっかりメモしておいてください。

  2. ご遺体がある国の在外公館
    (今回の場合であれば在大韓民国日本国大使館)
    へこちらから連絡し、手続き必要な書類
    現地で迷わないための地図などの情報を聞いてください。

    また、ご遺体の引き取りにどのくらい時間がかかりそうか
    しっかりと確認してください。
    https://www.kr.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html
    :+82-(0)2-739-7400

    亡くなられた方のパスポート
    ・死亡診断書
    ・防腐証明書
    ・遺体証明書

    ・遺体出境許可証

    などが必要かと思います。
    大使館へご確認ください。

  3. 日本の葬儀社に連絡し、
    日本の最寄りの空港から
    ご遺体を引き取る手続きを行なってください。

  4. 現地への渡航の計画を建てる。
    韓国は日本から短い時間で行ける国ですので、
    飛行機のチケットを現地へ行くご家族などの
    人数分手配します。

    その際に必要であれば、
    宿泊施設の手配もしてください。
    (2の時点で時間がかかったり、
    飛行機の到着時間によっては宿泊が必要となります)

  5. 費用の準備
    海外で亡くなられた場合、
    さまざまな費用がかかってきます。

    今回のおおよその相場ですが、
    100〜150万円はかかる可能性があります。

    (あくまで試算した感覚なので、
    冷静になれる時に計算をするか、
    日本の葬儀屋などに連絡し確認してください)

    また、ここで重要なのが、
    旅行保険やクレジットカード会社の保険です。

    亡くなられたかたがこういった保険に入っていれば、
    必ず費用負担軽減に繋がりますので、
    ここだけは確実に忘れずに確認してください。

  6. インターネットにもさまざまな情報がありますが、
    まずは1人で考えずに、
    冷静になれる時に身近な方へ相談をされた方が良いでしょう。

今回の事故はとても悲しい出来事で、
ようやく海外へ自由に行ける空気に
なってきた世の中で起きてしまいました。

残されたご遺族の方は特に悲しく、
とても悔しい思いをしていることだと思います。

辛い事実ですが、
今回のことで誰かに責任があるとかは正直分かりません。

警備体制が甘かったというのは簡単かもしれませんが、
それはあくまで結果であって、
10万人もの人が集まるなんて
正直誰も考えていなかったのではないでしょうか。

なので、悲しくて辛い出来事ですが、
誰かに責任を押し付けるよりも事実を受け入れ、
できる事をすることも大切だと思います。

これからまた海外へ旅行へ行ける機会が増えてきます。
当たり前ですが、日本での常識やルールが通じない国が
ほとんどですので、渡航の際には、
十分な準備と危機感を持った上で楽しむことをお勧めします。