ステーブルコインとは?ビットコインとの違いと開発目的を解説

ステーブルコインを電子決済手段と定義した
改正資金決済法が6月1日に施行されました。

簡単にいうと、政府が

『日本でも公式に、暗号通貨の発行や使用を認めます』

というルールにしたということになります。

今まではほとんどの暗号資産はその価値が
大きく変動していたため、

「仮想通貨、暗号資産」= 怪しいもの

というイメージの方も多かったのでは
ないでしょうか。

今回は、

「そもそもステーブルコインって何?」

という方に向けて、詳しく説明してみたいと思います。

ステーブルコインとは?

ステーブル(Stable)というのは英語で、
「安定した」という意味になります。

ステーブル=安定

つまり、簡単に言うとステーブルコイン
とは、価値が安定した仮想通貨ということ
で、そういう安定した種類の仮想通貨を
総称して

ステーブルコインと呼びます。

例えば、アメリカで現在流通している
ステーブルコインの中に、

Tether (USDT)、 USD Coin (USDC)、Dai (DAI)

などがあります。

 

あまり聞き馴染みがないですよね?

これらのステーブルコインは、投資先
としてはあまり魅力的ではない
からです。

なぜならステーブルコインは、その名前が
示す通り「安定」を重視した仮想通貨です。

つまり、価値が一定に保たれているため、
直接的な資産価値の上昇による収益は
期待できません。

そのため、ニュースなどでよく見る
「ビットコイン」「イーサリウム」
ように有名ではないものでした。

そもそも仮想通貨で買い物をするイメージが
薄い日本では特に、「ステーブルコイン」
自体が一般的ではない
ということもあります。

イメージとしては、

1USDT=$1

1USDC=$1

のように、実際の通貨の価値と変わらず、
資産価値が極端に上がったり下がったり
しません。

実際に発行されているドルの量だけしか
発行されていないため、価値が通貨と
同じになります。

 

ステーブルコイン自体を購入して
価値上昇を期待するというよりは、
あくまで通貨の役割、つまり

『価値交換の手段としての利用』

が基本となります。

「そんなの今まで通りの通貨でいいじゃん」

と思うかもしれません。

ただ、もし早くて安くて簡単な取引や、
決済方法があればそっちの方が良くないですか?

それが個人でも企業でも同じで、一度の
支払い手数料に数百円必要とか、送金に
時間がかかるとか、もしご自身が
経営者の立場だったらいかがでしょう。

特に日本は、輸出入に頼り切って経済が
成り立っている国です。

食べ物も純国産のものは高級食材扱いに
なり、海外製品で質の良い安いものが
どんどん生まれて輸入されています。

自動車産業は、海外輸出しなければ国内需要
だけでは厳しくなっています。

私たちが来ている洋服で、全ての素材が
日本製のものはほとんど存在していません。

海外との取引手数料が安くなるだけで、
これらの商品の販売価格が安くなり、
会社の利益も増えます。

効率化もできて、価格が安くなり、利益も増える。

いいことばかりですね。

 

ステーブルコインとビットコインの違い

ビットコインは、デジタルなお金の一種です
が、その価値は市場の需要と供給によって
変動
します。

ビデオゲームのアイテムに例えると、ある日は
レアアイテムで、皆がそれを手に入れた
がって、どんどん値段が上がって高価格に
なるかも
しれません。

でも、次の日には新しいもっと魅力的な
アイテムが出たため、皆がそれに興味を
持ち、前のアイテムの価格は下がる
かも
しれません。

つまり、

ビットコインのような暗号通貨の価値は
一定ではなく、変動するということです!

 

一方、ステーブルコインは、その価値が
一定に保たれるように設計されています。

 

例えば、スーパーマリオのゲーム内のコイン
は、ゲームがどう変わろうと常に同じ価値
を持ちます
ね。

コインを100個集めれば、ライフが1増える
というようにその価値は一定で、プレイする
時間帯や場面などで価値が左右されること
はありません。

 

引用:https://www.nintendo.co.jp/3ds/abej/twoplayers.html

 

ステーブルコインも同様で、たとえば1つの
ステーブルコインが1ドルの価値を持つ
ように設定されていれば、その価値は常に
1ドル
です。

つまり、ステーブルコインは、値段が
変わらない安定したデジタルなお金

で、

ビットコインのような暗号通貨は、
値段が上下する可能性のある
デジタルなお金

というのが基本的な違いと言えます。

 

ステーブルコインが開発された目的

「お金と同じ価値であれば、そもそも
暗号通貨を使う必要なないのでは?」

と思われる方もいることでしょう。

ではなぜ、ステーブルコインが開発された
のでしょうか。

価格変動問題解決のため

ステーブルコインは、一つには暗号通貨の
価格変動の問題を解決するために開発

されました。

ビットコインやイーサリウムに代表される
暗号通貨は、その性質上、価格が大きく
変動します。

たとえばビットコインの価格は、短期間で
大きく上下することがあります。

実際に、2009年に初めて誕生した
ビットコインの価値は『1BTC=0.07円』
でしたが、2023年6月1日現在では、
『1BTC=370万円以上』になっています。

もちろん継続して上がり続けたわけでは
なく、この14年間の間、価格が急激に
上がったり、下がったりしてきました。

 

 

これは投資の観点からは魅力的な面も
ありますが、通貨としての機能を果たす上で
問題があります。

通貨は価値が安定していることが重要で
あり、日々の取引や商品の価格設定に
使用するには、価格が安定していることが
望ましい
ため、ステーブルコインが
開発されました。

つまりステーブルコインの開発は、

暗号通貨のボラティリティ

(価値の変動性)を緩和するための手段

なんです。

 

国際間での通貨取引や送金のため

二つ目の理由としては、国際的な送金や
デジタルアセット(暗号通貨、音楽や映像
などのデジタルコンテンツ、NFT、
ゲーム内のアイテム、
その他のデジタルコンテンツ)

の交換や取引を容易にするというメリット

のために開発されました。

フィアット通貨と呼ばれる、ドルやユーロ、
日本の円などの通貨の送金は国際的には
高額な手数料や時間がかかります。

しかし、ステーブルコインを利用すると、
これらの問題を大幅に減らすことができます。

引用:https://www.rakuten-bank.co.jp/geo/remittance/charge/

 

以上の理由から、ステーブルコインは
暗号通貨の新たな可能性を追求する一環
として開発されています。

日本のステーブルコインはどんなものがある?

それでは日本政府が発行する
ステーブルコインとは実際にどういうもの
なのでしょうか。

現在発表されているのは、三菱UFJ信託銀行
が発行している「プログマコイン」という
銘柄があります。

プログマコイン

1プログマコイン=1円

となります。

そのほかにも、日本で最初に作られた
『JPYC』(JPYコイン)という銘柄も有名
です。

こちらはJPYC株式会社という会社が
開発運営していて、同じく、

JPYコイン

1JPYC=1円

となっています。

また、すでに地方銀行が発行する予定なども
発表していて、今後様々なステーブルコイン
が発行されるかもしれませんね。
ほとんどの場合、ステーブルコイン自体が
投資目的として使われるのではなく、
企業間の決済効率化に期待
されています。
年間で1000兆円規模のモノの
取引決済効率化
になると言われています。
個人でも、デジタルアセットを取引する際に
使用できるので、需要は確実に広がるかと
思われます。

 

まとめ

今回は、2023年6月1日から施行された、
ステーブルコインの発行と使用に関して
調査してみました。

ステーブルコインは、安定した暗号資産と
なり、今後それを使用して企業間の取引や
決済に使用され、日本国内だけで、
年間1000兆円の効率化となると言われています。

 

私たちを取り巻く環境は日々進化していて、
日本人のほとんどの人には、たった10年で
スマホが日常生活に欠かせないインフラと
なりました。
一部の人の中には、銀行やATMに行きお金を
引き出すこと自体が少なくなった方もいます。
買い物には、財布を持ち歩かず、スマホが
あればタッチ決済や、バーコード決済で
済みます。
メルカリで売った商品の売上を現金に換金
せず、そのままポイントとしてアプリ内に
貯めて、それで買い物ができます。
投資は、株や不動産、金などに加え、NFTや
仮想通貨(暗号資産)に投資する方も増え、
スマホ上のアプリで簡単に売買できるよう
になりました。
2024年に発行される新紙幣は、
最後の紙幣とも言われています。
ステーブルコインは、次の環境に備えた
デジタルなお金になるので、広がるのは
必然になることでしょう。
5年後には、どの世代も当たり前に
ステーブルコインを生活の一部と
して取り入れているかもしれませんね。