
元首相秘書官が性的少数者への差別的発言で、
さまざまな方面で非難が相次いでいますね。
さらに、「主要先進国の中で日本だけが同性婚を認めていない」など、
5月のG7サミット広島の開催前に世界からも叩かれている状態です。
今までも、女性軽視のような発言をする政治家がいたり、
同性婚に懐疑的な発言が出たりと、
なぜ一般社会と政府の間でここまで考えが違ってしまったのでしょうか。
「今の時代だから認めるべき」という言葉だけでは括れない
日本が抱えるさまざまな問題を元に、日本政府が同性婚や
ジェンダーフリーを認めることができない理由を考察して簡単にまとめてみました。
日本政府が同性婚やジェンダーフリーを認めることができない理由
同性婚に関しては、すでに20年以上前から
日本国内では度々問題になってきていました。
2015年に国連によって提案されたSDGs
(持続可能な開発目標)の中で、
「ジェンダー平等を実現しよう」
「人や国の不平等をなくそう」
という目標があります。
先進国である日本も、
外務省主導でSDGsを推進しています。
ではなぜ、ここまで同性婚の法的整備が進まなく、
度々政府関係者からの差別的発言が出るのでしょうか?
理由① 少子高齢化対策との矛盾
2023年現在、日本は未曾有の少子高齢化によって、
人口が年々減り続けていき若者が少ない世の中になっています。
それによって働く人の割合が減り社会保障で
生活する人が増え続けるという悪循環に陥っています。
これによって、税金が足りなくなるので税率を上げざるを得なくなります。
政府としては、出生率を上げるための政策を掲げて
対応していますが、
「今同性婚を認めてしまうと出生率が下がってしまうのでは?」
という単純なものの考え方をしているのではないでしょうか。
理由② 文化的、歴史的要素
日本の歴史を見ると、男は男、女は女という
文化が多くみられます。
私たちがよく目にする「男らしい」
「女らしい」という言葉なんかはそれの
代表かもしれませんね。
ジェンダー平等や、同性同志の恋愛を
堂々と公表しているのは、
大都市部の一部地域に限定されていたり、
アパレル業界やメディアの一部など、
公表して働ける職種も限られているのが現状です。
日本は世界で最も歴史が長い国として有名ですが、
数千年続く国民の根幹にある「性別としての意識」があるのかもしれませんね。
理由③ 教育の遅れ
性同一性障害という呼称から性別不合、
LGBTQなどへ呼称が変更されたのが2019年です。
それまでは、自分の性と身体に矛盾を
感じていたりすることは、
「精神疾患」と捉えられていました。
北欧では1940年代に同性婚が認められている
事例もありますが、日本の性教育が完全に
遅れているというのは事実です。
今、日本の一部の教育機関では新たな取り組みとして、
ジェンダー平等と性教育を併せて教え始めている
ところもありますが、その子供達が大人になって、
ジェンダーフリーが当たり前の思考になる社会は
10年〜20年先になりそうですね。
理由④ 日本人口の年齢比率による国民の理解度
男はこうあるべき、女はこうあるべきという社会で
生まれ育ってきた日本社会ですが、人口の年齢比率も多く関係しています。
(2023年現在の日本人口概算 1億2477万人)
・29歳未満の人口3,551万1千人
・15歳未満の人口1456万3千人
つまり、日本人口の約1/3以上の人が、
昔の教育を受けてきています。
人間は年齢を重ねると、変化を嫌う傾向にありますし、
これは人間の防衛本能でもあるという研究者もいます。
新しいことを受け入れるのには時間もかかるし、
そもそも受け入れることが難しいという
保守的な考えが多いのも人口の年齢比率による
のかもしれませんね。
ただ、私たちが携帯を使い始め、
スマホが社会インフラになるまでに10年ほどしか
かかりませんでしたので、
こういった理解度も超加速度的に変化するのかもしれません。
理由⑤ 憲法に抵触するのでは?
憲法24条1項「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。」
日本国憲法に「婚姻は両性の合意のみに基づいて〜」
とあるので、同姓同士の結婚を認めると、
憲法違反になるのでは?という解釈がされています。
ただしこれは、一部の強引な解釈としてもみられていて、
「そもそも同性婚を認めないのであれば、
そのことについて触れているはず」
という反論意見もあります。
憲法はインターネットどころか、
電話すら普及していない
70年以上前に作られた「ダメなものはダメだよ」的な法のため、
改訂すべきという意見が多いのは当然と言えば当然ですね。
人があっての法なのですから。
まとめ
日本が同性婚やジェンダー平等を認めることが
できない理由を政治的観点や、社会的観点からまとめてみましたが、
本当の意味で国民が理解ができるのはまだまだ先な気がしますね。
いずれにしろ、世界中の歴史を見ても時代が変わるときには
批判や対立、争いは常に起こってきましたし、この問題もも例に漏れていないことだと思います。
2023年5月に行われるG7広島サミットでは、ジェンダーフリーの遅れに関しての議題が上がる可能性もあります。
岸田政権として、世界と対等に戦うために避けて通れない問題の一つでもあるので、今年のG7は注目ですね。